2014/10/13

茅野日誌 第3回


本日は今回のプロジェクトのもうひとつのキモ!プロジェクトを進めつつ知り合った人に仕事をもらうというわらしべ長者作戦いよいよ開始!
先日紹介してもらった仕事は白樺湖のボート乗り場の店番。

いわゆるリゾートバイトである。白樺湖は茅野駅から車で40分ほど山を登ったところにある。夏のリゾート地として人気が高く周りにはホテルや旅館がある。正直そんな浮かれたリゾート地には学生時代から縁遠く、かなりイケテナイ青春時代を送った僕チンとしては「ケッ」というひがみ根性丸出しの思いしかなかったが、これも何かの縁であろうと9月の連休、秋晴れの中、白樺湖に向かった。
蓼科山をバックに。

ボート乗り場にはさすがにまだ観光客はいないのだがそこは山間の道を経た湖である。朝からオープンカーで乗り付けたオジさんのグループが自分の車を湖畔の駐車場に止め、うっとりとしていた。初デートで彼女の写真を撮りまくる彼氏の如く、自分の車の写真を撮るのに必死である。その様子は休日のリゾート地の光景ならではだなあとなんだか微笑ましい。
ややあって「おはようございます」とガタイのいい男性が声をかけてくる。ボート乗り場のTさん。丸っこい体に日焼けした顔はそのままでボート乗り場のゆるキャラである。Tさんにあれこれを教わりいざバイトスタート。今日は晴れていて混雑するだろうとのこと。日も上がってきてぽつぽつとお客さんが来始める。
ここにあるボートはスワン



普通の手漕ぎボートとフロートという二人乗りの足こぎボート、それにサイクルボートという一人乗りの自転車型ボートの4種類。それに釣り竿の貸し出しもやっている。仕事はお客さんにライフジャケットを渡したり戻ってきたボートを鍵竿で引っ張ったり、はたまたチケットを売ったりととにかく全部を手分けしてやるのだ。
「最初は撒き餌としてとにかく湖に浮かべることがコツ」というTさんは「少し長めに乗っていいですよ」と軽やかな笑顔とともに来始めたお客を湖に送り出す。


するとホントにその数組が湖に散らばった頃バタバタとお客さんが集まってくる。さすがにTさんの長年の勘は鋭い。言った通りの展開にこちらはてんてこ舞いになる。来る人にライフジャケットを渡しボートに乗せ、紐を外すというサイクルをひたすら繰り返しかなり忙しい。
働いております!

一段落すると一杯100円の鯉のえさを並べる。これもまた賑やかしとしては上手い手法。100円のえさが終わる頃には目の前のスワンに気持ちがなびいてくるという寸法。子供たちは「乗りたいよう」とだだをこねる。普段は無理メなゴネもせっかくの家族ドライブとあってはまあいいかとやや高めの値段設定にもかかわらずスワンは次々と出て行く。
お次はカップル。若いカップルはスワンよりボートに乗りたがる。やはりデートの定番は手漕ぎのボートなんでしょうね。「やだ彼カッコいい♡」とこれまた定番の展開にこちらも笑顔で送り出す。
大学のサークルなんてのも。乗る段になって「誰と乗る?」なんてカマトトなくだりがあった後なんだかホカホカとした顔つきで各自ボートにスワンにと乗り込み湖へ。時折大きな声が上がるのも彼らで休日の湖に華を添える。
そうかと思えば草食男子三人組あり、訳あり風なカップルあり、はたまたちょっと本職風の怖いお兄さん方ありでホントに様々な人たちがやってくる。連休の行楽日なんだなと改めて感じ入った。途中でじゅんじゅんさ〜ん!と声がするので何かなと思うと市民館のOさんGさんの女子コンビがのぞきに来てね。




 Oさん登場!

Oさんのご実家は元々白樺湖で旅館をやっていて。せっかくですからとボートに乗っていった。そんなこんなで一日休む暇もなく忙しかったのでした。
正直、こういった仕事バカにしてたんだよね。自分も子供の頃ならいざ知らずボートなんて乗らないしそもそもこういうところに来ないしね。素直に楽しめるようなキャラじゃなかったのもあって。
けど、それぞれに楽しそうで幸せそうな雰囲気にこちらも心が弾んでいくのよ。明るいエネルギーをもらえるというか。これは初めての体験でした。Tさんのキャラクターも素晴らしくてね。お客さんを邪魔しない様にしながらも「写真撮りましょうか」とか「仲いいですね」なんて気軽に声をかける。こういう心遣いもいい思い出の一役を担うわけでのほほんとしつつも気を遣っている仕事っぷりに感心しました。
行楽地で働くということは人に楽しんでもらう仕事なわけでそういった意味では僕も多いに参考になるところがありました。いやホントにいい体験だったなあ。嬉しそうな顔って周りも楽しくさせるのだなと。きれいな場所ということもありこちらも笑顔が自然に出て来て自分自身が遊びに来たような気分だったのでした。
ただひとつ、ピーカンの水辺って恐ろしいほど日に焼けるんだよね。

三日間の仕事が終わった後はしばらく顔が痛かったです。
さあ、明日からまた取材だ〜!